幕末にオランダから来日したドイツ人医師・シーボルト(1796~1866)は、帰国の際に大量の自然科学標本や民族学的資料を持ち帰っており、それらはシーボルトコレクションと呼ばれています。
実はそのシーボルトコレクションの中に城崎温泉の伝統工芸品「麦わら細工」も多数含まれていて、それは現在オランダのライデンとドイツのミュンヘンの博物館に所蔵されています。
2004年のことですが、城崎温泉の麦わら細工職人や振興協議会の人々がこのシーボルトコレクションを検証する為にわざわざ現地に赴き、直接自分の手と目で江戸時代の職人の技に触れ、当時のデザインや技術を再現した「たばこ入れ」など24点を復刻させました。
遠く江戸の時代に海外の人々にも愛された城崎温泉の麦わら細工が、時代を越えて再び「城崎麦わら細工伝承館」にて披露されています。どうぞ、この機会をお見逃しなく…。