むかぁ~し、むかぁ~し、あるところに“喜助”という漁師がおったそうじゃ。ある晩のこと、喜助の夢まくらに地蔵が立ち、「ある年の大水で川底にさらわれた。ここは冷たくて暗いから、助けておくれ」と喜助に言った。次の日、喜助が漁に出かけると、夢の通り地蔵が掛かったので、引き揚げて道端に丁寧にまつったそうじゃ。
するとどうだろう、たまげたことに地蔵の鼻から米粒がポロポロ落ちてくるではないか。どんどんどんどんと出て、喜助は近所に分け与えるほど裕福になったそうじゃ。だが、そこで欲を出したのがいけなかった。「鼻の穴を大きくしたらもっと出るのでは」と思い、のみで叩いて穴を大きくしようとしたところ、鼻が欠け、米は二度と出なくなってしまった。
喜助は再び舟に乗って網を打つようになった。反省して毎日地蔵にお参りをし、ただ「心豊かに生きられますように」と祈った。やがて、嫁をもらい、貧しいながらも幸せに暮らしたという。
上はTBS系列の「まんが日本昔ばなし」でも放映されたことがある『鼻かけ地蔵』の一説でありますが、この舞台となったのは実は城崎町内の楽々浦(ささうら)という地区で、今でも大切に祭られ、「(欲張らずに)ひとつだけ願い事をすれば必ず聞き届けて下さる」と多くの人々がお参りをしているのであります。
その鼻かけ地蔵のお祭りが6月4日の日曜日に開催されます。
タイムスケジュールは次の通りです。是非、いらしてみて下さい。
●御詠歌(9時45分~)
●紫橙大護摩(11時00分~)
●餅つき(12時00分~)
●餅・粗飯の接待/福引き
●観光船(12時30分~)