いくつもの外湯が存在し、ゆかた掛けのお客様が大勢お歩きになるのは何故かご存じでしょうか?
100軒近い旅館のみならず、まちには多くの商店があって、それらがみんな仲良くお客様をお迎えしているのは何故かご存じでしょうか?
これらは城崎温泉に元々からある「共存共栄」と「互助」の精神によるところが大きいのであります。
つまり、城崎温泉では私有の泉源を一切持たず、温泉は区民(湯島区)の共有の財産なのであり、付近の山林を含めた町並みも、皆が共有して大切に守り続けてきたものなのであります。このまちでは「自分さえ良ければよい」「自分さえ儲かればよい」といった考え方は、伝統的に存在しないのであります。
さて、そういった湯島区民の共有の財産を区民を代表して管理するのが「湯島財産区議会議員」なのですが(本当はもっと複雑なのですが、ちょっと乱暴でも分かり易く説明をしています)、その議員を決める4年に一度の選挙が昨日告示をされました。定員11名のところに11名が立候補し、つまり無投票で新議員が決定いたしました。
市会議員や町会議員ならいざ知らず、「財産区議会議員選挙」という名称に昨日城崎温泉にお越しになりましたお客様も非常に疑問を持たれたことと思います。実はこういった他にはあまりない制度こそが、城崎温泉を城崎温泉たらしめているたいへんに重要な本質なのでありました。
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