身近すぎるあまりに、我々は城崎国際アートセンターの価値というものをよく分かっていないのであります。
芸術制作を行う人たちを一定期間招聘し、その土地に滞在しながら作品制作を行わせる事業のこと「アーティスト・イン・レジデンス」というのだそうですが、城崎国際アートセンターの場合、ホールとスタジオ、宿泊スペースで構成されたこの施設に、アーティストは最長3カ月滞在し、24時間いつでも施設を利用することができます。滞在中の宿泊費やホール、スタジオ使用料は基本的に無料で、しかも類い希な情緒溢れる温泉街という環境と、入り放題の温泉が楽しめるこの施設とそしてこの街は、今や日本一どころか世界一と称されているのだそうです。我々地元の者が「…のだそうです」というと、関係者からいささかおしかりを受けそうですが、我々が切望して出来た施設では無いので、そういった反応になってしまうのです。滞在しているアーティストがどれほど著名な方かも分からずに、只々遠くからわざわざ来てくれた隣人として心からの歓待をすることが我々城崎温泉の住人の役目なのであり、そのこともとても気に入ってくれているようです。
先日、岩井秀人さんと森山未來さんとシンガーソングライターの前野健太さんが、2週間に及ぶ滞在制作を行ったコドモ発射プロジェクト「なむはむだはむ」の滞在制作の様子がEテレで放映されました。とっても凄い人たちが滞在していたんだ、とテレビを観た後から気が付く始末です。それにしても城崎の子供たちは、このような環境が当たり前にあって本当に将来が楽しみでしかたありません。
さて、城崎国際アートセンターの利用は公募制です。これだけ世界が注目するようになった今、競争率はかなりな高さです。2017年度は8カ国43件の応募の中から20組のアーティスト／プロジェクトに来ていただきます。
『城崎国際アートセンター 2017年度プログラム（イヤーブック）』は、当館フロントに置いています。ご来館時にどうぞお手にとってご覧下さいませ。
なお、城崎国際アートセンターは当館から徒歩1分の近さです。