東は京都府の網野から西は鳥取砂丘に至るまでの3府県に渡る約80kmに及ぶ海岸線を「山陰海岸」と呼びます。
この山陰海岸を陸地からでは無く、海から見るととても素晴らしいということは、実はあまり知られていないのではないでしょうか。
実はそういう私も、その海からの景色を久しく見ていないのでありますが…
当館から車で約40分のところにある香住(かすみ)から三姉妹船長で有名な遊覧船に乗ると、その景色を気軽に見ることが出来ます。
奇岩や奇抜な断崖の波蝕海岸、洞門、洞窟などの絶景数々。縦・横・斜めの摂理をよく確認することも出来て、実は地質学上からも高 い評価を得ているのであります。
さて、話は変わりますが…
科学的に見て特別に貴重であり、また美しい地質遺産を複数含む自然公園のことを「ジオパーク」と言います。そのジオパークの地質遺産を保全し、観光の対象として地域社会の活性化を図っていくことを「ジオツーリズム」と言うそうです。
ヨーロッパや中国ではこの「ジオツーリズム」は既に盛んで、現地住民と観光客との交流が積極的に行われていると聞きます。
2004年に世界ジオパークネットワークがユネスコの支援により設立され、現在では世界の50箇所が参加基準を満たすジオパークとしてネットワークに参加しています。
山陰海岸は、傑出した景勝地として国立公園に指定されていますが、日本列島誕生というダイナッミックなドラマを記録している重要な場所でもあることから、今、この貴重な自然遺産を日本初の「ジオパーク」に登録しようという大きな動きがあります。
今日は当館の近くで、登録の推進と山陰海岸の魅力を多くの人に体験し実感してもらうための「山陰海岸探訪フォーラム」が開催されましたので参加してきました。
地元民の私でも知らないことがたくさんあることを痛感し、さらには学術的・自然的価値の高さにとても驚いたのでありました。
知識不足の私にも解りやすい今日のフォーラムは、本当にいい勉強になったのでありました。今日の経験を今後に是非生かしていきたいと考えています。