城崎温泉に於いては、この春以来、旅館協同組合や商工会をはじめとして大小様々な総会が開催されて参りましたが、この総会が言わば城崎温泉に於ける“しんがり”総会となりました。
しかしながら、その内容は、全ての総会の中でも最も厳しいものになったのではないかと思うのでありました。
理由は、豊岡市の行革による「補助金2割カット」にあります。
観光協会の資金源の多くは市からの補助金で占められていますが、今年度より市の方針としてその補助金が2割削減されることになったのです。補助金は性質上、運営費と事業費に分けられます。運営費とは観光協会を維持運営していく為の費用であり、事業費とはイベントやPR事業などのことと概ねご理解下さい。今回の補助金削減にはルールがあって、まずは運営費を確保し、残りのお金を事業費に充てるというものでした。
つまりは、運営費はほぼ前年並みの予算編成がなされたので、事業費だけで全体の2割削減分を全てまかなわなければならなくなり、結果として実質的には事業費は3割以上の予算削減となってしまったのでした。したがって必然的にかなりな事業縮小を強いられることになってしまったのであります。
今や全国的に地域興しが盛んです。そして、それを観光に依存することが特に多くなっています。どこの地域も住民が協力し合って、個々の旅館や施設ではなく地域全体を売っていこうとする傾向がかなり強くなっています。そんな流れの中で以前から「共存共栄」を謳う城崎温泉は、全国的にも先進的な地域でありました。昔も今も地域住民が協力して行う事業が城崎温泉のよりどころであるのです。
そんな状況下での今回の行革方針は、理由は理解できても、実際には受け入れ難いものでありました。
例えば、これから夏休みに繰り広げられる40日間のイベントや花火も、だからと言ってボリュームを減らすわけには参りません。苦渋の選択としてPR事業費を削減せざるを得なくなり、毎年恒例であった城崎温泉ポスターの下半期分なども凍結となってしまいました。
今日の総会は皆さんのご理解をいただいて無事終了いたしましたが、承認されたことによってこれから1年間、この限られた予算を上手に運用し、より効果の上がる事業を執り行っていかなければならないという命題を背負ってしまったのでありました。
道は厳しいですが、城崎温泉の強みは「みんなが元気」なこと。
今日という日が、みんなで協力し合って城崎温泉を盛り上げていきたいと、お互いが再確認した記念すべき日でもあったということを付け加えておきたいと思います。
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