「外湯浴場入浴券」。当館でもこの券をフロントにたくさん置いておりますが、この券を外湯の番台で渡せば、お金要らずに外湯の入浴ができる、城崎温泉の旅館にお泊まりいただいたお客様だけが利用できる特別な券なのであります。もちろん利用分だけお客様にお渡しするものであって、それ以上の持ち出しは厳禁であります。
この出品者さんが城崎温泉にお泊まりになった際に、持って帰ってきてしまわれた物だかどうだか分かりませんが、法的に罰せられるものかどうかは別として、ルール上は全くの禁じ手であります。しかも少額とはいえ、売りに出されているわけですから、城崎温泉関係者の私としては心中穏やかではありません。
よく見れば…
有効期限は平成17年の9月末で、つまり期限切れ。そして出品価格は200円であるものの、送料と振り込み手数料を加えると通常の入浴料が600円からしてお得感は全く無し。
つまりは…
入浴券としての利用が目的では無く、コレクションとしての出品なのでしょうか?
私にはよく理解ができないのであります。
ところで、この「外湯浴場入浴券」ですが、宿泊のお客様だけにお渡ししている特典ではあるものの、チェックインからチェックアウトまでしか使えないという使用期間が限定されています。つまりは、宿泊客であっても期間外の入浴においては、正規の入浴料金をお支払いいただくことになるのです。
「無料で入浴できたものに対して、余計にお金を支払わされた」と、中にはトラブルになる場合もあるのですが、考え方としては真逆で「本来はすべからく入浴料金をお支払いいただかなければならないところ、宿泊客だけは時間を限定して便宜を図らせていただいている」のであります。外湯施設の管理運営には、もちろんお金がかかります。その費用は地元の者も負担していますが、入浴者に対しても利用の代価として相応の入浴料をご負担いただくことは“当然の行為”と、ご理解いただきたいと思うのであります。
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