「美しい日本の歴史的風土100選」に、全国から698件の推薦があり、その中から城崎温泉の町並みが見事「100選」に選ばれました。
100選は古都保存財団が発表。城崎温泉の街並みは、大正末期の北但大震災後に再建された大谿川沿いの美しい景観や温泉街の情緒などが評価されたのだということです。
ただし、“景観”や“情緒”を維持していくことは、実はそうたやすいことではありません。それには豊岡市の中でも城崎温泉に住む人ならではの“風土”や“気質”が大いに関係しているわけですし、ならではの“制度”というものも存在いたします。
しかしながら“制度”は、お客様にとってはめんどうで煩わしいもにもなり得ます。場合によっては“不満”に繋がる場合もある。例えば、外湯は入浴券があれば無料とはいえ、旅館のお風呂は必要以上に大きくなくこじんまりとしていること。また、その外湯入浴券が使えるのは旅館に滞在中の時だけで、一旦チェックアウトするとひとつの外湯にはいるのに600円を払わなければならないこと（御所の湯・さとの湯は800円）。さらには、滞在中は徒歩に徹し、自家用車であっても滞在中の利用は御法度であること、等々、“楽さ”や“安さ”をお好みになられるお客様にとっては、その気持ちに反する“制度”が城崎温泉には数々存在するのであります。
けれども、何でもかんでも個人的な“勝手”に委ねられればそれは破壊に繋がっていくことをご理解いただきたいのです。
城崎温泉の住民は「共存共栄」は当たり前のことと思っていますが、そこに来られるお客様もまた、お客様同士のこと、そしてまちに対して、お互いを思いやり、そしてその土地独特の「餅は餅屋」のルールをご理解いただいた上でご利用いただければたいへんに嬉しく思うのであります。
「城崎温泉の（素晴らしい）景観」というものは、実はその上に成り立っていることをご承知おき下さいませ。
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