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「すき間の旅館」《追記》

2006.04.29|その他徒然に・・・

当館の客室数23室というのは「亭主の目の届く部屋数」という理由です。これ以上の部屋数を持つということは、亭主だけでは目が行き届かなくなり、それは当館にとりましては致命的なことであるという考えに基づいています。
「すき間の旅館」を書いた当時は、「23室の宿」は特筆すべきものでありましたが、今日のお客様のきめの細かいニーズを考えますと、ここ数年は正直言って「もはや23室では多すぎる」と考えています。とにかく23室であっても目が回るほど毎日が忙しいです。できることならば「せめて半分にしたい」というのが最近の偽らざる本音。ただし、かといってそれはたやすくなし得ることではありません。

さて、ここ3年ほどで私が行った旅館は? というと、こことか、こことか、こことか、こことか、こことか、こことか、そしてこことかであります。
偶然というか、全て10室前後の旅館ばかり。お客様に応え、そして自らも楽しめる規模となると、「やはりこれくらいがいいのかな」と思う今日この頃であります。

さらには立地によって形は違えども、最近は「ゆっくり泊まらせて食でもてなす」といった和風オーベルジュともいうべき小規模な旅館が本当に多くなりました。どれもが素晴らしい! 当館も学ぶべきことが多いです。

このように小規模旅館の時代はこれからは益々顕著になっていくと考えていますが、ただし「和風オーベルジュ」とかはたまた「デザイナーズ旅館」とかと書き立てる旅行雑誌や記事が最近やたら多いことには正直(私としては)好ましくないことと思っています(売れるうける からそうなるのでしょうが。もちろん私はやっかみで言っているのではありません)。
オーナーの思いはとてつもなく凄まじい筈です。「デザイナーズ旅館」とひとくくりで言われてしまえば、オーナーとしては旅館の本質は語れないだろうと思うのであります(これは私の全く個人的な意見、意見が合わない場合は何卒ご容赦下さいませ)。