
観光庁による「宿泊業におけるIT活用を通じた生産性向上・経営高度化の実態把握に係る調査」が実施され当館も回答をさせていただきましたが、けっこう興味深い結果となりましたので、際だった部分だけですが感慨を込めて報告をさせていただきます。
要はあなたの旅館はITを駆使して如何に人手不足対策を含めた生産性の向上や経営のデジタル化を進めているのかの実態把握であり、且つそれらIT技術の積極的導入を図らせ「これからの経営」を促進させることが目的の事業なのではないのかと思った次第であります。
で、例えば「宿泊予約管理業務はどこまでIT活用しているか…」の質問。
当館もPMS(宿泊管理システム)の導入はしていて、それは大いに役立っている訳ではありますが、普通はそこまでで終わりなんでしょうが、当館では最終的には紙の台帳にわざわざ転記して、そして頭(脳)にたたき込む、覚える、刷り込む、記憶させる…、をしています。私は大学受験勉強はとにかく書いて書いて書いて書いて…頭にたたき込む勉強方法でした。書かなきゃ頭に入らない(記憶として残らない)体質になってしまったようで、それを今でも継続していて、しかもスタッフにも強いている次第です。
まぁ、分かってはいますが、とにかくとても効率の悪いことをしています。
ITは無限大の顧客データを処理できるのかも分かりませんが、数ははるかに少ないながら、当館ではお客様の名前を聞けば、少しでも脳裏にお顔が浮かび、志向や好みが思い出されるよう脳トレをしていて、まだまだアナログチックな顧客管理・予約管理が主流なのです。(笑)
次の質問は、チェックイン・チェックアウトに自動チェックイン・チェックアウト機を導入しているか…というものでしたが、当館ではあえて人手を掛けて、お出迎えやお見送りという行為を実施し、とりわけチェックアウト精算はわざわざお客様のお部屋に客室係が伺って実施している次第です。
次にフロント対応や飲食に関する調理提供業務などでどれだけITを活用しているか…と問いかけてくるわけですが、当館の考えは真逆で、あえて人手が掛かる「夕朝食共にお部屋食」を実施している絶滅危惧種の旅館なんです。
画像は当館の社員教育用のマニュアルのとある1ページです。
右が今の旅館のトレンド、左が当館のやっていることです。
当館は時代の流れとはあえて真逆のことをやっていて、そのニッチさこそがお客様にご支持をいただけるところなのだと思っています。
しかしながら、そういったオペレーション、接客姿勢は好き嫌いがはっきりしているのも事実。当館なりの特徴をお客様が「心地良い・意外に新鮮だ…」と思っていただけるのか、いやいや「いちいちの関わりが面倒だ」と否定されるのか…。評価は分かれるところですが、当たり前のことですが、お客様に褒めていただくことが一層のやり甲斐に繋がっていき、効率は悪いながらこの商売がとても好きで居られる理由なんです。

