今回の寒波もようやく一段落したようでありますが、交通機関の乱れと情報の錯綜(適切な報道がなされていないと思うことが多々ありました)でお客様にはたいへんなご迷惑をお掛けしてしまいました。
しかしながら、当館としては本日宿泊のお客様の当日キャンセルは少なく、多くのお客様がなんとか予定通りにお越しになられたのは本当に有り難いことでありました。
実のところを言えば、城崎温泉の雪は「大雪」ではありません。だいたい25cm程度積もっていますが、我々の想定内の積雪量で、普段でもこれくらいは当たり前に降っていますので、十分に対応ができています。準備万端整えてお客様のご来館をお待ちしているのですが、問題は道中の大雪です。城崎温泉とわずか10kmしか離れていない豊岡市内は全国ニュースにも紹介されるほどの短時間に記録的な降り方をしたようで、総積雪量は城崎温泉の倍以上の60cm以上あるようです。けれども元来雪が降る土地柄ですから、遅ればせながらも除雪は着実に進み、幹線道路は冬用タイヤを着けていれば問題無く走行できる状況でありました。
いっぽう最近、JRは大雪や大雨などの自然現象ですぐに運休してしまうように思います。今回の大雪などの場合は、JR利用のお客様にもっとも迷惑が及んでしまいます。
さて、今回のような交通に乱れが出た場合にお客様はどうされるのかと申しますと、せっかく仕事を休んで、準備を整えて、今回の旅行をたいへんに楽しみにされていたわけですから、「できれば、なんとしてでも旅行に行きたい、泊まりに行きたい…」と思われるのが、大半のお客様の思いだと思います。したがって、普通列車を何本も乗り継いだり、特急バスに変更したり、自家用車やレンタカーに切り替えて、多くのお客様にはご来館をいただいています。今日は予定よりも車利用のお客様が増えることを想定して、今季初めてブルに出動願って、駐車場の除雪をいたしました。
一番の問題はなんなのかと申しますと、旅行業者から予約をしたJR利用のお客様です。この旅行業者から買ったJRと宿泊がセットになった旅行商品は、その乗ろうとした列車が運休してしまうと他の列車に変更がきかないのです。つまりは「運休イコール旅行に行けない」ということになってしまいます。ほとんどのお客様にはご来館いただいているのに、旅館は普段通りに営業しているのに、旅行業者経由のお客様だけは来ないのです。来てくれないのです。しかもこのお客様はキャンセル料を払わなくていいのですがそのことが、旅行あきらめの後押しを間違いなくいたします。お客様にとっても残念で不幸な出来事ですが、旅館としても用意した客室、用意した食材は全てパーで、しかも全てを旅館側が被らなければならないので、とても大きな損害となります。
旅館に泊まるための予約手段には、旅館に直接電話、公式ウェブサイトからの予約、じゃらんネットや楽天トラベルなどのネットエージェントからの予約、そして旅行業者からの予約など多々あると思いますが、最も融通が利かない、気が利かないのは旅行業者からの予約と言わざるを得ないと思う今日この頃であります。