長年に渡る豊岡市のコウノトリ保護・増殖事業において、平成14年8月5日の野生コウノトリの突然の飛来は、本当に大きな意味を持つものでありました。そのまま豊岡市周辺に棲みついたという事実は、何十年もかかってやってきた地道な事業の正当性を証明するものでありました。
飛来した8月5日にちなんで「ハチゴロウ」と名付けられたこのコウノトリは多くの人々に愛され、そして大きな感動を与えて参りました。
城崎温泉の入口にある城崎町戸島の湿地は、ハチゴロウにとって実はたいへんにお気に入りの場所で度々訪れ休息していました。ハチゴロウを見ることが出来る隠れた穴場として、毎日たくさんのギャラリーで賑わっていたものです。
しかしながら、今年2月27日の朝に数日前から見かけられなくなったハチゴロウの死体が市内某所で発見されました。飛来がきっかけとなって、豊岡市がこの戸島の湿地を保存・再生・創造に取りかかることにした矢先の出来事でした。
豊岡市はハチゴロウの数々の功績を顕彰し、将来にわたって感謝の気持ちを風化させないようにする為に、この湿地を『ハチゴロウの戸島湿地』と名付けることにしたのでした。
『ハチゴロウの戸島湿地』の整備完了は来年秋の予定です。
もちろん第二第三のハチゴロウの飛来を願ってのことであります。
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