小説「城の崎にて」で知られる志賀直哉先生が城崎温泉に来て、今年で100年になることに伴い、この秋には様々な行事が予定されています。
そのひとつとして、城崎温泉オリジナル「城の崎にて」がこの度発売される運びとなりました。
さっそくに一冊入手して読んでみましたところ…
中身は本編と注釈本の2冊セットになっています。注目すべきは注釈本の方。
「城の崎にて」は約一世紀前の作品ですから、当時の時代背景を共有しないと理解できない部分が多々あります。また、なんでそうなったかというエピソードも色々とあって、それが実に分かりやすく綴られています。ひとつひとつ丁寧に注釈していますから量は多くなるわけで、結果として本編の何倍もの厚さとなっています。
例えば、志賀直哉先生が最初に泊まろうと思った宿は三木屋さんでは無かった…等、元々知っていたエピソードもありますが、実に興味深く一気に読んでしまいました。
この本、とても面白いです。
1冊1,000円。まもなく城崎文芸館などで販売される予定です。