今年の暑さはやはり「異常」と呼ぶべきものなのでしょうが、異常が続くと連鎖的に次の異常を引き起こし、予期せぬ事態が巻き起こるものであります。「一筋縄ではいかない」のが商売の常ではありますが、今回の羽根付きクロアリの大量発生は誠に困ったことでありました。
クロアリはある時期、羽根が生え羽根アリになるのですが、それは一つのコロニーから独立して新しいコロニーを創るために飛び立つための行為だということです。当館でも（と言いますか地域全体において）例年、夏の蒸し暑い風の無い日に突然大量発生することがあります。ただし、それは夏の間のほんの2～3日程度のことと思っていたのですが、今年は猛暑になってから雨が全く降らないからか、発生する日数がかなり多いのであります。
羽根アリの習性は、夜間に活動し光を好みます。しかも冷房が良くきいたところにより集まるようです。戸を閉め切っていても、どこからともなく客室内に侵入してきますので、誠に厄介なのであります。クロアリがそのようにいるということはシロアリがいないということも意味するようですので、その点は良いのですが、お客様に不快感を与えてしまっては元も子もありません。
そこで登場させたのが、ご覧の「捕虫機」。夜、ランプの光に虫が寄ってくると、ランプの下でまわっている扇風機が、その虫たちを網の中に全て吸い込んでしまう仕組みになっています。その形といい、夜間に青白く光るランプの光といい、人目につく物としてはあまり具合のいい物ではないのですが、今回の異常に対して応急的に中庭に3台取り付けさせていただきました。
お陰で抜群の効果を発揮し、なんとか異常事態を回避できそうです。
しかしながら、この捕虫機は光に寄ってくる虫を無差別に捕まえてしまうので、たまにカブトムシが捕らわれていることはご愛嬌であります。