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にっぽんの温泉100選

2015.12.20|その他徒然に・・・

この度、観光経済新聞社主催による「第29回 にっぽんの温泉100選」が発表され、我が城崎温泉は昨年に引き続いて10位にランクインされました。
かつて「2位じゃダメなんですか?」という流行語があったように、「10位じゃ…」とお思いの方もおられるかも分かりませんが、日本の数ある温泉地の中での100分の10なわけですから、とてもとても名誉なことなのであります。ベスト10の温泉地は城崎温泉以外は総じて泉質に力(温泉力)のある温泉地が選ばれているように思います。その中で単純泉である城崎温泉が選ばれているのは、これはもう町並みを含めた温泉地としての総合力が高く高く評価されたものと思っております。

昨年、野々村県議会議員(当時)が城崎温泉に100回以上視察したとしてたいへんな話題となりましたが、その真偽は別としても城崎温泉は他では真似のできない特殊なまちづくりをしていることから、全国各地からの視察は元々多いということで野々村さんの目の付け所は実は間違っていないのであります。
城崎温泉の町並みが今も昔も変わることのない佇まいを見せているのは、先人の知恵と今もそれを引き継ぐ住民の理解と努力の上に成り立っていることをご存じでしょうか?
いくつもの外湯が存在し、ゆかた掛けのお客様が大勢お歩きになるのには、理由があることをご存じでしょうか?
城崎温泉では、およそ80軒ある旅館だけで無く、まちにある商工業者や一般町民がみんな仲良く、街全体でお客様をお迎えしようとしています。駅が玄関で、道路は廊下で、外湯が大浴場で、土産物屋が売店で、そして約80軒ある旅館が客室で…と、城崎温泉は「まち全体で一軒の旅館」に例えられることがよくあります。
これらは城崎温泉に元々からある「共存共栄」と「互助の精神」によるところが大きいのであります。つまりは城崎温泉では私有の泉源を一切持たず(個人が勝手にボーリングできません)、温泉は区民(湯島区)の共有の財産なのであって、付近の山林を含めた町並みも、皆が共有して大切に守り続けてきたものなのであります。このまちでは「自分さえ儲かればよい」といった自分勝手な考え方は伝統的に存在しないのであります。したがって、実は旅館の大浴場の大きさは客室の数を基準としてサイズが決められていたりします(少し小さめ)。旅館内にお客様を囲い込まないよう、館内には大きな売店機能や飲食機能をあえて持たないようにしています。全て足らずは温泉街にある土産物屋や飲食店・喫茶店や外湯を利用していただくようにしています。個人(旅館一軒)の儲けよりもみんなの儲けを優先しているのが城崎温泉なのです。もちろんお客様の中にはそれを「不便」とお感じになる方も当然ながらおられますが、このような理由によって城崎温泉の総合力は高く評価され、今では世界から「BEST ONSEN TOWN」と評価されているのであります。