昨日は城崎温泉旅館組合主催のインバウンドセミナーでした。
セミナーと言ってもみんなで外国人客受け入れについて語るワークショップでしたので、これはもう旅館関係者だけでなく、お土産屋さんも飲食店さんも、そして関心のある人はどなたでも来ていただいたらいいよ、というような形式となりました。そうしたところ、本当にたくさんの人が参加し会場は溢れんばかりの大賑わいとなってしまいました。やはりインバウンド(外国人客)への関心度は相当だということが分かります。
今、城崎温泉への外国人来訪者は本当に多いです。当館でのことを申し上げると、今年の宿泊者見込みは一昨年実績の約8倍、昨年実績の約2.5倍となっています(もっとも分母がかなり少ないので全宿泊者の数%のことですが…)。
正直なところを申し上げると、外国人客が多くなってくると顔をしかめられる日本人客もおられることと思います。でも、それは城崎温泉では当てはまりません。城崎温泉に来る外国人客はいわゆる「FIT(Foreign Independent Tour)」と呼ばれる完全なる個人旅行で、しかもゴールデンルートから離れてわざわざ城崎温泉に来たいと思った人だけが来るので、マナーもすこぶる良く私共もとても好感を持って受け入れさせていただいているのです。先日開催された震災フォーラムに於いて今では「半城崎人」となっておられる劇作家の平田オリザさんがおっしゃっていましたが、「城崎温泉に来る外国人は城崎に何かを求めてやってくるというよりも、むしろ城崎に何も無いことを欲してきている…」とおっしゃっていました。まさにゴールデンルートで爆買いされるのとは違った異質の外国人が城崎温泉に来ているのだと思います。
私共も宿泊された外国人客の印象をひと言で表現するとすれば「フレンドリー」「行儀が良い」「礼儀正しい」「笑顔が素敵」「大人しい」等々となり、ゆかたを着たり、温泉に入ったり、日本食を楽しんだり…、より日本的なモノに関心があって、それに溶け込もうと、そして積極的に受け入れようとする姿勢が凄く伝わってきてとても好感を持って接しています。そして、彼らは素直に喜び、素直に笑顔や言葉で表現します。「そんなに喜んでくれるならば…」と私共のスタッフもより一層おもてなしをしようと前向きになります。どんどん好循環していく感じです。本当のおもてなしの心というモノを彼らが教えてくれているような…そんな気持ちになります。