当館の中庭にモリアオガエルが棲みはじめてから、もう何年にもなります。例年梅雨時に産卵し、8月頃に大人のカエルになるのですが、今年は梅雨の雨が少なかったからか、産卵がたいへんに遅れておりました。ようやく池の上の樹木に、泡状の卵を産み付けたのでありました。
モリアオガエルは、ところによっては天然記念物に指定されている希少なカエルです。ほとんどの種類のカエルは水中に産卵しますが、モリアオガエルは水面上の樹木等に粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産み付けます。ふ化したオタマジャクシはこの泡塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へポタリポタリと落下するのです。
私共ではいつも通りの当たり前の風景も、お客様にとっては非日常の「癒し」の風景なのだと思います。