今回の出張は縁あって、城崎の寿司店「をり鶴」の三代目とご一緒させていただきました。
城崎温泉は「田舎」と言えども、老舗と呼ばれる格式を持った名店も多いです。昔から、お客様の賑わいが、たくさんの商いを育んできたのでありましたが、けれども名店と言えども、伝統にこだわり歴史に固執するだけでは、たちまちくすんでしまうものです。その店が輝き続けるには、その店ならではの秘訣が隠されているものであります。
「をり鶴」さんのそれは、まずは一度、日本でも知る人ぞ知る有名店で修行し、技術を磨いてから城崎に帰って代を継ぐというもの。
当代の二代目は明石の名店「菊水」で修行をされ、跡継ぎの三代目に至っては数々の店をまわった後、最後はあの銀座「久兵衛」で修行をされています。一流店の技と城崎ならではの食材との融合が、「をり鶴」さんの大きな特徴なのであります。
けれども三代目とご一緒して分かったのは、マーケティングにも力を入れられているということ。“寿司店”という全く日本的なものと“マーケティング”という横文字とはなんとも不釣り合いなように感じ取れますが、三代目は積極的にインターネットにも取り組み、単にホームページを作るだけではなく、ネット利用者に対しても分かり易い寿司店というものも視野に入れておられるのです。よってインターネットのお陰で客層が広がったということで、腕ばかりだけではなくそういった新感覚に対しても二代目から一目置かれる存在になっているとのことです。
当館にご宿泊のお客様におかれましては、「夕食は当館で、昼食はをり鶴さんで…」とお薦めしております。カウンター越しの会話も、旅のまた楽しみのひとつであります。
●「をり鶴」ホームページ
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