当館の前の道は、町民にとってはかっこうの散歩コースになっています。だいたいいつもの人がいつもの時間に散歩をし、その人たちに挨拶をするのが私の日課のようになっています。けれども9月に入ると、散歩のメンバーにそれまでは見ることがなかった顔が混じり始めるのです(もちろん顔見知りでありますが)。しかもその新顔の数は日に日に増え始めるのです。そしてそれは男性ばかり…。
なぜかというと、皆、秋祭りの為の体力作りを始めるのでありました。城崎温泉においては、これもひとつの“季節の風物詩”なのかもしれません。
さて、そういうことで、10月14日・15日は秋祭りです。祭りの解説については、昨年のブログをご参照いただくとして、たいへんに楽しい素晴らしい祭りでありながら、ちょっと厄介なことがあります。
それは、祭りの為に10月15日は交通規制がかかり、町内への車の進入が一切できなくなるということです。つまり町内はほぼ全域で歩行者天国。タイヤ(車輪)がついているもので走っていいのは、だんじりと自転車だけになるのです。
当館は城崎温泉の奥に位置していますので、お車のお客様については迂回路を通ってお越しいただけるものの、約20~30分の遠回りをしていただかなければならず、さらにはJRご利用のお客様にいたっては、JR城崎温泉駅からの交通手段は「徒歩」しかないのであります。駅ご到着後は、ただひたすらに歩いて当館を目指していただかなければなりません。もちろん歩けない距離ではありません。普段の日でも徒歩でご来館いただくお客様はございます。距離にして約1.5km、時間にして約20分の道のりです。幼稚園と小学校の通学路にもなっていますので、同じ道のりを園児や児童は毎日平気で通っています。しかも、道中では楽しいお祭りをやっているのです。
けれども経験上、全てのお客様にこの状況をご理解いただき(お祭りがあるということを)喜んでいただいているのかと言えば、実際のところはそうではありません。正直に言えば「苦情」も何件かあるのです。もちろん「祭りがあって、当館まではお歩きいただくことになる」というアナウンスは漏れなくやっているつもりでありますが、けれどもその状況をお客様がどの程度理解しておられるのかということには個人差があります。事前の連絡で「了解した」とおっしゃっていても、ご立腹されてご来館されるお客様が正直申し上げてあるのです。
お祭りに興味の無いお客様やご老人が、概ねこれにあてはまります。
また、雨天の場合はその可能性は高くなるものと思われます。
ということで、一年を通してこの10月15日だけは、ある特定のお客様にはご宿泊をお薦めできない日なのではないかと思っております。
10月15日は、本当は一年の中でも最もお薦めの日なのです。けれども同時に心してお越しいただかなければならない日でもあるのです。