旅行業界最大手J社に加盟している旅館やホテルで作る“協定旅館ホテル連盟”の東京での全国総会に出席して参りました。
会場は東京タワーのすぐ真下、東京プリンスホテル。その席上、当館が「やどだよりヒット賞 優秀賞」として表彰していただきました。
これはJ社のホームページ内にある「やどだより・まちだより」という情報板への日々の書き込みを評価していただいてのことなのですが、中でも「地域の情報を前びろに発信」したことが(J社利用の)お客様への事前情報として大いに役立ったということのようであります。
実際の「やどだより・まちだより」をご覧いただいてもなかなか気がついてもらえないかもしれないのですが、全国的に見ると各旅館が発信する催しやイベント情報の主催(主体)はその旅館単独というものが多いのであります。「自館のお客様に喜んでいただける催しをする」「イベントを実施することにより同地域内の他の旅館に差をつける」という考え方は間違ったものではありません。むしろ当然の戦略であります。
しかしながら当館の場合(と申しますか、城崎温泉の場合)は、旅館が単独で実施するイベントというものはほとんどありません。もちろん城崎温泉の個々の旅館の中には、イベントを実施する企画力も資金力も無い場合もあると思います。城崎温泉ではそのような旅館にお泊まりのお客様も等しく喜んでいただけるようにということはもとより、各自が持っている企画力を自館だけに利用するのではなく、もっとオープンにしてみんなで共有し、街全体でイベントを実施し、街全体でお客様をもてなそうとするのであります。これがいわゆる“城崎温泉流”なのであります。
地域内の他館を“競合”と考えるか、“仲間”として考えるか…。
一般的にはやはり“競合”なのであり、自館の情報や能力を他に公開し共有しようとすることは、いわば「おひとよし」と言われてもしかたのないことであります。が、城崎温泉ではそれをあえて実践しているのです。
「なぜそうなのか?」と問われれば、「城崎温泉に生まれた人間としてのDNA」としか答えようがありませんが、そういった姿勢がこの度「やどだよりヒット賞 優秀賞」をいただいた大きな理由となったことは言うまでもありません。