城崎温泉のある豊岡市が今、国の特別天然記念物コウノトリを、人工飼育から野生に返す世界でも珍しい試験放鳥を計画していることをご存じでしょうか?
豊岡(盆地)にはコウノトリに適した自然環境とコウノトリを大切に扱う風潮があったため比較的乱獲されず、国内唯一の生息地として残りました。1956年には国の特別天然記念物に指定され、本格的な保護活動を行いましたが、個体数の減少をくい止めることはできず、1965年に人工飼育を開始しました。個体数は、このとき既に12羽にまで減っていました。残った個体の老齢化と近親交配による遺伝子の劣化、体内の残留農薬などにより繁殖は長い間成功しませんでした。そこで1985年にロシアから6羽の個体を導入しました。この中から2組がペアをつくり、1989年にやっとの思いで2羽の繁殖に成功しました。それ以後、毎年繁殖に成功しており、現在では115羽(2005年4月)を飼育しています。(こうのとり文化館ホームページより抜粋)
さて、昨日、国内では最も長い34年間にわたって飼育されてきたコウノトリの雌「武生(たけふ)」が死んだという記事を見つけました。壮大なコウノトリプロジェクトは武生が居てこそであったことと思います。
試験放鳥はいよいよ9月24日に行われます。